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酒の花に首ったけ vol.1

「お客さんにも、関わる人にも、何ひとつごまかさずに向き合う場所にしたい」
一杯に宿る和のビールへの情熱を、お客さんの笑顔につなぐ

Cellar & Tap Origins Table 久留宮修司 × 酒の花 Hazy IPA

連載「酒の花に首ったけ」では、私たちfuns brewingの「酒の花」シリーズを扱ってくださっている色々なプロの方をお訪ねし、その理由を探ります。リアルな言葉から垣間見える一人ひとりの熱いこだわりから、酒の花シリーズの魅力を紐解いていきます。

今回のプロ:Cellar & Tap Origins Table オーナー 久留宮修司さん

大学卒業後、5年間をニュージーランドで過ごす。ニュージーランド産ワインのみを扱うNew Zealand Winemaker’s Centreで経験を積み、永住権まで取得。帰国後は貨物の輸出前検査を行う企業に勤めながら、2021年に自身のワイン輸入会社ウインズジャパンを設立。2025年4月には、新浦安駅前の"チャレンジショップ"にCellar & Tap Origins Tableをオープン。ビール、ワイン、日本酒と久留宮さん自らがセレクトした"本物"のお酒が揃う。料理はあえてメニューを設けず、持ち込み自由のスタイルを採用。

※チャレンジショップとは:千葉県浦安市の事業として、起業志望者や新業態に対して、新浦安市駅前プラザマーレの1施設を実践拠点として一定期間貸し出す制度。営業は現状来年の2月末まで。

目次

生産者の想いを引き継ぐ、「本物の情熱が集う場所」

責任が大きい輸出前検査の業務に誇りを持ちながらも、「本当に好きなもので、お客さんの喜びを直接感じられる仕事がしたい」という想いが芽生えた久留宮さん。そこで、飲食店への挑戦を決意したそうです。

新たに立ち上げたCellar&Tap Origins Tableに込めたコンセプトは、「本物の情熱が集う場所」。原点は、ニュージーランドに滞在していた頃の体験にあります。久留宮さんの働く、ニュージーランド産ワインの小売・輸出をするNew Zealand Winemaker’s Centreは、日々作り手が「自分のワインを取り扱ってほしい」と直接持ち込んでくるような環境でした。

「当時のボスはワイン業界では名のある人で、彼はワイン醸造家たちと話すときはいつも"どういう想いでつくったのか?"と質問を投げかけていました。その姿をずっと横で見てきたので、ワインはもちろん、ビールや日本酒も含めて、"熱い想いを持って頑張っている作り手さんたちってすごい"という気持ちが自分の中で自然と芽生えました」

作り手たちの「流行や市場を気にせずに、自分が作りたいものを作る」という姿勢に感動したという久留宮さん。彼らがどれほどの情熱とこだわりを持って、真剣にモノづくりに向き合っているのか、その想いの強さに何度も心を打たれてきたと言います。

「"この素材にこだわった理由" "こんな手間を惜しまずに作った背景" "誰かに心から喜んでもらいたいという気持ち" - そういった"本物の情熱"に触れたとき、自分がそういう想いを受け止めて、接点のない人に伝えて、その人たちが笑顔になってくれたら最高だなとずっと思っていました」

作り手たちの代わりに、自分の言葉やサービスを通してその想いを届ける。そんな場所をつくりたい、そんな役割を担いたいという気持ちが、「本物の情熱が集う場所」というコンセプトを自然と形作ったそうです。

<ずらりと並ぶ、選び抜かれたお酒メニュー>
紹介文にはそれぞれの特徴やこだわりが久留宮さんの言葉で丁寧にまとめられていて、どれにしようかとわくわくします。メニューには、久留宮さんのルーツであるニュージーランドのワインもあります。滞在中、ニュージーランドワインの美味しさに感激した一方で、家族経営のワイナリーが多いことからそこまで出回っていないものが多かったそう。

「実際日本には、手摘みではなく機械で刈ってしまうような、ワイナリーさんのこだわりが詰まっていないものしか入ってこない。それを飲んで、ニュージーランドのワインってこんなもんかと思われるのがものすごく悔しくて。本物をどうにかこうにか日本に入れて、私と同じ感動を味わってもらいたかったんです」

目新しさより、いつでも味わいたい逸品を

久留宮さんがお店に置くお酒を選ぶうえで一貫して大切にしているのは、「バランスの良さ」。バランスと一口に言っても、ただ中庸という意味ではありません。久留宮さんが思うバランスの良さとは、何かひとつの要素だけが突出しているのではなく、甘み、酸味、苦味、旨味、香りといった味わいを決める要素が、それぞれ高いレベルで整い、全体として調和しているもの。

「そういうお酒は、一口目のインパクトだけで終わらず、飲み進めるほどに奥行きや余韻を感じられて、"もう一杯飲みたい""もう一度飲んでみたい"と思わせてくれるのではないかと思います。派手さよりも"何度でも飲みたくなる"ことを前提にしたバランスの良さに重きをおいて選ぶようにしています」

―こだわりのラインアップを一部ご紹介―

お客さんにも、関わる人にも、何ひとつごまかさずに向き合う場所にしたい

選りすぐりのラインアップが揃いつつも、「最終的に決めるのはお客さん」と久留宮さんは話します。

「自分が美味しいと感じるお酒こそが、その人にとって一番良いお酒だと思います。自分の好みを押し付けるような説明や、私はここが好きなんですといった余計な情報は、お客さんの感性の邪魔になると思います。私たちがやるべきことは、その商品がどれほどの情熱をもってつくられているのかを誠実に淡々と伝えることです」

そんな久留宮さんが、ここは譲れない、として挙げてくださったお店のポリシーが、「透明性と誠実性」です。

「自分が心から信頼できる方と向き合い、その背景も含めて、歪曲なく正直に伝える。お客さんにも、関わる人にも、何ひとつごまかさずに向き合える場所にしたいです」

お酒に込められた目に見えない想いに焦点を当て、自分の舌で選定し、お客さんには余計な情報を渡さずに提供する。久留宮さんは、作り手とお客さんをつなぐ、橋渡し役のプロだと思いました。そんな久留宮さんが選んだお酒なんて、全部美味しいに決まってる!とテンションが上がります。

「永遠に飲める」― 一口目で惚れ込んだ、酒の花 Hazy IPA

ニュージーランドではHazyIPAが早くから人気を集めていたこともあり、久留宮さんもこれまでさまざまなHazyIPAに触れてきたそうです。ただ、実は一般的なIPAはそこまで得意ではなかったと言います。そんな久留宮さんが「これまでのどのIPAとも違う」と衝撃を受けたのが、funs brewingの酒の花HazyIPAでした。

「繊細さを持ちながらも、芯はしっかり残っている。そしてなにより、私の大好きな日本酒のような、心地よい香りや、やわらかな飲み口と上品な後味を兼ね備えていることにただただ感動しました。本当に恋に落ちたというか、これは永遠に飲めます!」

最初はボトルで、次に大阪のfuns brewing直営店にまで足を運んで味を確かめてくださった久留宮さん。飲むたびに驚きが深まり、自分は酒の花HazyIPA の虜だと確信したそう。久留宮さんが大切にされているバランスの良さが感じられたことに加え、「日本酒や和食の文化を大切にしながら、新しい味わいを創造する」という情熱と覚悟が、まさに「本物の情熱が集う場所」という店のコンセプトにピッタリだったと久留宮さんは語ります。

「日本酒の酵母や酒粕を使うなんて、簡単ではないじゃないですか。でもそれを実際事業として成功させて、私のように、こんなに美味しいものは他にないと思う人がいるって本当にすごい。情熱と覚悟が無いとできないと思います」

酒の花HazyIPAの「オトモ」

by Cellar & Tap Origins Table

Cellar & Tap Origins Tableでは、フードの持ち込みが自由。
これは、久留宮さんの「お客さんに自身の感性で自由に楽しんでほしい」という想いにも通じています。

「決められたメニューの中で選ぶのではなく、自分の好みに合う食との組み合わせを見つけていただくという自由度こそが、食と酒の新しい楽しみ方を広げるのではないかと思っています」と、どこまでもお客さんの感覚を尊重する久留宮さん、本当に素敵です。

とはいえ、自分では何を用意したらいいか分からないという方もご安心を。お店にもフードメニューがいくつかあり、その中でも特に酒の花HazyIPAと相性抜群だと久留宮さんがおすすめしてくれたものをご紹介します。

切り立てを堪能する、イベリコべジョータ

Cellar & Tap Origins Tableの目玉の一つ、原木からカットするスタイルのハモンイベリコべジョータ! ビジネスパートナーの三上さんがスペインから輸入しているという、最高級の生ハム。お店のカウンターに鎮座するその迫力あるたたずまいは、入店した瞬間から目を引きます。

「イベリコべジョータの脂身を酒の花Hazy IPAのほど良いキレ感がまとめてくれ、すごくバランスが良いです」と久留宮さん。注文するとその場でカットしたものを提供してくれます。酒の花 Hazy IPAと一緒にご注文いただけるお客さんには、少しだけ脂多めの部位を提供されているとのことです。

こちらの生ハム、私も頂いたのですが、冗談抜きでこれまで食べた生ハムの中で一番美味しいものに出会ってしまったと思いました。見た目の色が濃いので、味もしっかりしょっぱいのかと思いきや、食べてみると意外と塩気は控えめ。舌の上でじゅわっとうま味が広がって、すっと口の中で消えていく感じ。
ここで酒の花HazyIPAを一口。あ、合う・・・!酒の花HazyIPAの軽やかな飲み口がイベリコべジョータのうま味を邪魔せず、相乗効果でお互いの強みを引き出し合っていて、無限ループ。久留宮さんが言っていた何度でも飲みたくなるバランスの良さとは、このことか!とこちらが気づかされました。

世界一にも輝いた「チーズ工房 千」のチーズ

もうひとつ、特別に出していただいたのが、「チーズ工房 千」のチーズ。こちらはまだレギュラーメニューではないのですが、今後加えたいと思っているとのこと。手がけているのは、国内外の賞を多数受賞するチーズ職人、柴田千代さん。2024年のWorld Cheese Awardでは GOLD(世界1位)の快挙を達成しているほど!
実は、本業の同僚で、店舗のスタッフとしても運営を支えている関さんがその妹さんなんです。

こちらも頂きましたが、まずチーズが本当においしい。癖が強すぎず、それでいて味わいはしっかり口に残る絶妙なバランス。そこに酒の花HazyIPAを合わせると、チーズのやわらかなコクとビールのやさしいジューシーさが溶け合って、はたまた気づけば手が止まらない…あっという間に完食してしまいました。

実は酒の花HazyIPAは元々"しゃぶしゃぶ専用ビール"として生まれたビール。清酒酵母で仕込んだことで軽やかな飲み口とほどよいキレ感があり、しゃぶしゃぶの脂身をさっぱりと楽しめます。その設計が生ハムやチーズの脂身ともマッチしたのか!と私たちにとっても新たな発見でした。

お店で買えるスナック菓子も揃っています。生ハムはお持ち帰りもできるのが嬉しい。

※チーズは今後メニューに正式導入予定

新しさと心地良さの両立を叶える、唯一無二の味わい

お店で酒の花HazyIPAを飲んだ方からは、「これ、バランスがよくていつまでも飲めちゃいますね」といった言葉があったそうです。

「IPAがお好きな方は、その違いに驚かれると思いますが、その驚きは、この酒の花が持つ繊細さやバランスの良さによって、心地の良い感動に変わると思います」

さらに久留宮さんは、IPAが苦手な人にも試してほしいと話します。清酒酵母や酒粕由来の柔らかくて優しい甘みの奥に、IPAがスタイルとして持つボディとしての苦みが感じられるので、新しい発見になる、とのこと。酒の花HazyIPAは、好みを問わず幅広い方に美味しく感じていただけるビールなのかもしれません。

 

Cellar & Tap Origins Tableで扱うお酒はすべて、久留宮さんが作り手の情熱や、背景にあるストーリーに心を動かされたものばかりです。お酒に対して丁寧に、真摯に向き合う久留宮さん。そんな久留宮さんやスタッフのみなさんの想いが、あたたかくにじみ出たようなお店でした。情熱が詰まったお酒を片手に、開放的なお店で自由に過ごす。気づけば、取材が終わってからもずっとここにいたいと思っている自分がいました。

ぜひそんな場所で、酒の花HazyIPAを味わって、ふっと力が抜けるような時間を過ごしてほしいと思います!

店舗情報

取材・文:山本美萌

funs brewing編集部として、酒の花シリーズにまつわる取材・執筆を行う。
最近はフェスで飲むビールのおいしさに夢中(フジロック3日間参戦!)。

撮影:櫻井大祐

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